働く女性と医療機関
「学校を卒業したら女性は、花嫁修業をして結婚」、という常識が一般的であった時代がありました。しかし、戦後の日本女性の教育レベルは高くなり、大学卒業の女性が増えるに従い、社会で長く活躍したいと考える女性が増えてきました。そして、今ではほとんどの女性が、学校を卒業すると家庭に入るのではなく、社会に出て働くようになっています。
また、結婚や出産で一度家庭に入っても、そのまま専業主婦になるのではなく、再び外に出て働こうと思っている人も少なくありません。1992年に発表された総務庁の「労働力調査」によると、この年には夫か妻のどちらかだけが働く「片働き家庭」よりも「共稼ぎ家庭」の方が多くなったそうです。そしてバブル景気が崩壊した今は、主婦が働くことは普通の社会となっています。
今でこそ医療業界で働く女性は、結婚後も当たり前のように活躍していますが、実は昔は看護師といった医療従事者の女性も同じ経緯を歩んできていたのです。看護学校を卒業して看護師となっても、以前は結婚したら退職して、専業主婦となった人たちが多くいました。
しかし、現在の医療業界では女性が活躍しやすい環境が整備されるようになり、保育施設の完備していたり、柔軟なシフト対応や復職支援などをしてくれたりする病院が増えてきました。この傾向は都市部だけではなく、地方都市でも見られるようになっており、生涯現役で頑張る看護師が増えてきています。